心理検査の基礎知識①
心理検査(学力検査)の標準化
学力検査の標準化は、次のような手順で行われます。どの行程も重要なことですが、問題作成、予備調査、問題検討、採点法は特に重要になります。これは妥当性を高めるためにはこの点が重要と考えられるからです。
学力検査を作成する場合、最終的に点数で表される心理学的特性が、学力を正しく測っているかどうかが問題になります。知能検査や、人格・適性検査、個別検査等も同じです。
知能を測っている、学力を測っているという保証は簡単にみえて、本当はとても難しいことなのです。正答率の高すぎる問題、低すぎる問題、弁別力のない問題などをカットしたり、修正したりして、標準化の問題を決めます。
次に学力検査について、妥当性を検討してみます。
① 内容的妥当性
検査問題の内容が、測定しようとしている心理学的特性の内容を十分に測っているか否かということで、学力検査では特に重要視されています。
検査問題が学習指導要領に基づいているか、学校で教育した指導目標を測るのにふさわしいかどうか、教科書との関連はどうか、単なる知識だけでなく思考力を測っているかどうか、一問一問質的に論理的に検討されます。
② 併存的妥当性
学力検査が測定しようとしている心理学的特性を、いかに明確に弁別できるかという観点から見ます。子どもたちの学力のでき具合を学力検査の点数によって十分に弁別できているかどうかが問題になります。
以上のような手順を経て、心理検査は、長い時間をかけて標準化され、信頼のおける検査となります。