心理検査の基礎知識②

●心理検査の目的・機能を正しく理解する

心理検査の結果の解釈にあたっては、まず、心理検査の目的や機能について正しく理解しておくことが必要です。

学校教育における心理検査の機能としては、次の3つがあげられます。

①情報的機能……児童・生徒の心理的側面についての情報を得る。

②予測的機能……将来における適応の程度を予測する。

③刺激的機能……児童・生徒の自己意識を高め、自分の長所・短所を自覚させる。

検査の目的や種類によって、この3つの機能の比重も変わってきますが、学校における活用
としては、あくまで児童・生徒の立場に立った教育的な配慮が必要となります。

心理検査は誤った使い方をすれば、児童・生徒の可能性を否定し、もっぱら児童・生徒の管理や
固定的な予断にもとづく指導のための道具と化してしまう危険性も充分に考えられます。

心理検査は、あくまでも児童・生徒の可能性を引き出し、伸ばしていくという姿勢で活用していくことが大切です。

また、心理検査の活用とその限界についても正しく理解し、結果を固定的、絶対的にとらえず、成長途上にある児童・生徒のある時期における一つの側面・資料であることをあらためて確認した上で、結果の解釈や活用にあたる必要があります。