制定 1967 年1 月
改訂 1998 年9 月
日本心理検査協会趣意書
近年における科学の発達や学問の進歩と相俟って、心理学の理論を裏付けとした心理測定と評価の技術は、人間の個性把握を深め、教育の進展と個人の持つ可能性の伸長のために著しい貢献をなしつつあります。
すなわち、学校教育においては、学習指導、生徒指導、進路指導などの面で、児童・生徒の能力の開発、個性の伸長等々に心理測定と評価の技術が成果をあげ、産業教育においても、人材選抜や適正配置にその実績を積んでいます。また、障害児教育や医療場面でも、カウンセリングやリハビリテーションにおいて、その効果を着実に発揮しております。
このように心理測定と評価の技術の重要性が増す時代にあって、測定・評価の用具としての教育・心理検査の研究・開発ならびにその普及にあたるものは、その責任の重大性を一層深く認識するところであります。今後とも、教育・心理検査に関する広い調査・研究と実証をはかり、その質的向上と正しい普及に努め、教育界・産業界等々の期待と要請に応えねばなりません。
これがため、第1に教育・心理検査の機能、精度の向上については、心理学者ならびに学会等との連携を更に深めて、学問的理論と実証とに立脚した検査の開発を一層すすめなければなりません。
第2に、その普及については、教育行政機関の方々や教育の実際に携わられる教諭の方々、および産業界で実際に活用される担当の方々や医療現場等々での実践家の方々との共同研究によって、正しい理解に基づく教育・心理検査の使用と、測定・評価技術の啓発を益々はからねばなりません。
第3に、人権の尊重および個人情報の保護の趣旨からも教育・心理検査の効用と限界を十分に認識いたさねばなりません。
以上のことは教育・心理検査の発行者である加盟会員社の基本的確認事項であり、遵守すべき事項であります。
加盟各社は1964 年に日本心理検査協会を組織し、会員各社の研鑽に努め、教育・心理検査の向上と正しい普及をはかって、『日本教育・心理検査目録』(年度版)の発行、《公開教育講演会》の開催などをはじめ、教育・心理検査の正しい普及と活用のための諸事業をすすめ、特に教育界の方々のご要請に応えてまいりました。
加盟各社は、今後も教育界・産業界等々のご期待に添うべく、一層の努力をし、教育効果の向上と産業における能率の向上に役立つことを念願といたしております。
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